ふたつの橋を望む旅路、歴史と絶景が交差する「瀬戸の香川と徳島」をゆく

丸亀城は、香川県丸亀市に築かれた平山城で、現存12天守の一つを有する貴重な城。慶長2年（1597年）、生駒親正・一正父子によって築城が開始され、山崎家治によって完成した。特徴は高さ日本一を誇る約60mの石垣で、扇の勾配と呼ばれる優美な曲線を描く。現存天守は三重三階の木造構造で、1660年頃に建てられたもの。小規模ながら端正で力強い姿を保ち、国の重要文化財に指定されている。

大窪寺（おおくぼじ）は、真言宗の寺院で、四国八十八箇所霊場の第八十八番札所＝結願の寺として知られる。創建は奈良時代に遡り、行基による開基と伝えられ、後に弘法大師空海が伽藍を整備した。本尊は薬師如来。巡礼の最後を締めくくる地であり、全国から多くの遍路が訪れる。境内には重厚な仁王門、静謐な本堂、結願の証として杖を納める納め堂があり、荘厳な雰囲気に包まれる。

イサムノグチ庭園美術館は、香川県高松市牟礼町にある彫刻家イサム・ノグチ（1904–1988）のアトリエ兼住居跡を整備した美術館。ノグチは庵治石を用いた大規模な石彫作品の制作を晩年まで行い、この地を創作拠点とした。敷地にはアトリエや庭園、未完成作品を含む多数の石彫が点在し、自然と芸術の融合を体感できる。建物内部には「アカリ」シリーズの照明や模型も展示され、ノグチの思想と創作の軌跡を間近に感じられる場だ。完全予約制で少人数制見学となっている。

大塚国際美術館は、世界最大級の陶板名画美術館です。館内には古代から現代までの西洋美術の名作約1,000点を陶板画で原寸大に再現して展示。レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」やシスティーナ礼拝堂天井画など、現地さながらに体験できるスケール感が特徴。陶板に焼き付ける技術により、風化せず半永久的に保存できるのも大きな特色である。